markupが用意した、ゆるーいキーワードのカードたち。 「だれか」に一枚ずつめくってもらい、 出てきたキーワードをテーマに 「これまでのこと」「これからのこと」 「いろんなこと」を 気ままにお話ししていただきます。 記念すべき第一回目のインタビュイーは・・・
Vol.01
イラストレーター・
グラフィックデザイナー
イラストレーター・グラフィックデザイナー Postics(ポスティックス)主宰
1996年から2009年までパリ在住。現在は拠点を京都に移して活動中。在仏中に、グラフィックデザインを学び、卒業後にデザイン事務所で働く。2001年からイラストレーションに目覚め、本格的に制作を始める。キャラクター制作を得意とし、とてもカラフルな作風が多い。雑誌、広告、ファッション等の分野で活動を広め、パリ、ロンドン、ニューヨークなどで活躍。他、ギャラリー、美術館での展示経験もあり。
イラストレーター・グラフィックデザイナーPostics(ポスティックス)主宰
http://postics.com/
自分が見た夢を、絵日記として毎日描いていることかな。朝起きたら、その日見た夢の内容というよりも、出てきたビジュアルをいろいろ組み合わせたイラストを描くんですね。そのイラストに、”妄想”も交えた文章も添えてね(笑)。描き始めてからかれこれ10年以上になるので、これはもう「自慢」できるかなと思ってます(笑)。その絵日記は自分のwebサイトにも載せてるんですけど、何点ぐらいあるのか、こないだ数えてみたら4000枚以上になってましたねえ。もちろん今朝も描いてきましたよ。今朝はですねえ、「ちくわに入った人」。・・・爆笑されてますけど、絵日記として描くイラストには、意味を求めてるわけではないんでね・・・(笑)。どこかへわざわざ行くという行動は嫌だったりしますけど(笑)、身近ですぐに取り組めることをコツコツと長く続けるのは、自分の性に合っているなって思います。もしかすると、研究者とかになれば良かったかもですね(笑)。
基本はどんなことも「気楽に」、かな。何事も思い詰めたくないっていうかね(笑)。なんとかなるさ的な・・・いや、違うかな。どちらかと言うと、「どうにかする」、「なんとかするんだよ」って感じかな。深く考え過ぎずに、まずやってみようっていつも考えますね。やってみて失敗してしまったとしても、結果的にどうにか折り合いをつけるんだろうしね。起きてしまったことにも、これから起こることにも、後悔したり不安に思ってくよくよばかりしていてもね、仕方がないじゃないですか。何か不本意なことが起こってしまっても、何か方法を考えて「なんとかする」ことで、回り回ってうまくいくようになるんじゃないのかなって思います。何事も、前を向くしかないよね。
理想をかなり描いているけど、現実を踏まえて無難な選択している自分がいるような気がする(笑)。人には「理想を持て!」とか言っちゃうのに、結局自分は守りに入ったりしてしまうところがあるのかなあって、改めて思ってしまいますね。かといって、とんがっていたいかということでもないんですけど、本音は100人が選ぶものはあまり選びたくないっていうかね(笑)。100人が選ぶものも、勿論好きではあるんですけど、「みんなが選ぶならじゃあ僕はこっちにしよう」みたいなところが、実はあります(笑)。だけど年齢を重ねると、経験則じゃないけれどやっぱり無難な方に流れちゃうというかねえ・・・これだったら失敗はないな(笑)、っていう方をつい選んでしまってるのかなって思いますね。
うーん、これは「トラウマ」になるのかなあ? 以前、僕が海外にいた時のことなんですけど、あんまり人を信じないようにしようと思うことが色々ありましたね(笑)。例えばですけど、他人の作品なのに、しれっと自分のポートフォリオに入れている人がいたりね(苦笑)。「バレなければいい」「仕事さえ取れればこっちのもんだ」みたいな、多少強引なことをしても全然平気というか、変な”押しの強さ”をグイグイ出してくるような人っていうのが、結構多く居たんですよね。正しい行動をしていない人がこんなにもいるんだなと、とにかく驚いてしまって。文化の違いとかも多少はあるのかもしれないとか、がっつりした自己アピールの一つの手なのかもと、良い風に言えばそう思えなくもないですけど(笑)。仕事って取るまでがやっぱり大変じゃないですか。強引でも、まずはどうにかチャンスを掴めたら、後はとにかくひたすらやっていけばね(笑)。上手くいったら、またそこから次に繋がっていく訳ですからね。
そんな感じで、人前で出す・出さないはあるだろうけど、誰しも少なからず”悪い部分”を持っているものだから、時に自分が騙されてしまうこともあるだろうなとも考えるようになったというかねえ・・・(苦笑)。まあ、それ以来、怪しいなと思う人には”センサー”みたいなものが反応するっていうかね(笑)。初対面で調子よく接してくる人に対しては「何か裏があるかも・・・」と思って、距離をとるというか、壁を一枚挟むというか(笑)。身構えるようになったかもしれません。僕は見た目のせいか、小さい子どもからご年配の方まで、いろんな年代の方から気軽に話しかけられることも多いんですけど(笑)、それ故のものもあるのかもしれない(笑)。
確実によく食べているのは餃子だと思うんですけど、選ぶなら焼売。自分で作った時に、焼売のほうが断然旨いんです。餃子はなんかねえ・・・感動がない(笑)。作り方が悪いのかな? 材料も作る工程も餃子より断然少ないのに、焼売の方が旨味がぎゅっと詰まってるなあって思うんですよね。
記憶に強く残ってる方で言えば、「別れ」かな。早くに友達を何人か亡くしているので・・・大変寂しいことですよね。「出会い」は・・・講師を務めている学校で奥さんとは出会いましたけど、劇的な出会いかというとそんなこともなく・・・(照笑)。「出会いと別れ」のテーマとは少し違うかもしれませんが、ネットで自分の本名を調べると、僕と同姓同名のカメラマンの方が出てくるんですね。で、すごいのが、僕とそのカメラマンの方、両方につながっている人が僕の友達にいるっていう(笑)。まだ、その自分と同じ名前のカメラマンの方にはお会いしたことはないんですが(笑)、なんだか不思議な縁を感じていて、これも「出会い」の一つかなって思います(笑)。
昔からやってみたいと思っていることのひとつにパスタのデザインがあるんです。はい、あの乾麺のパスタです。大学ではプロダクトについて学んでいたんですが、卒業制作の時に「パスタのデザインをやりたい」と言ったら、食品は検証とかができる環境がないから駄目だと却下されてしまって(笑)。ロングパスタとかショートパスタ、それ以外にもパスタ自体の種類はたくさんありますけど、いろいろな食品や味があるなかで自分が作ったものが残っていったら嬉しいなと。今までにない見た目の、新しいデザインのパスタを作って世の中に出してみたいですねえ。
成功と失敗・・・うーん、どっちの言葉にもピンとこない・・・(笑)。そう考えると、これまで大きな成功も失敗も無いかもなあ。。試験に落ちたりとか留年したりとか。単位も落としたことはないし、飛行機に乗り遅れたこともないし(笑)。成功したことよりも失敗したことの方がすぐ思い浮かびそうだけど・・・失敗なら、まあ、せいぜい騙されたことぐらいじゃないでしょうか(笑)。
もし、自分が本当に対談することがあったら、誰を相手に選ぶか。最近ふと偶然にも考えたことがあってですね(笑)。対談するなら、芦田愛菜ちゃんがいいなと思いました。あの年齢で、あんなにいろんな知識があって、本もたくさん読んでて・・・話していて本当に楽しいだろうなと思ってね。こないだも本屋さんに行った時に、愛菜ちゃんが読んでる本をピックアップしたコーナーを見かけたりして、へえー、こんな本を読んでるんだなあと興味が湧いてきたりしてね(笑)。テレビで拝見する姿もいつも聡明な印象で、自分よりも年下ではあるけれど、本当にすごい方だと思っています。
一人っ子だと思っていたら、一人っ子じゃなかったこと(笑)。父親の前の奥さんとの間に子供がいることを、父が亡くなった時に初めて聞かされたんですね。聞いた時は「何の冗談を言ってるんだろう」と、まあ、びっくりしましたよねえ(笑)。それで、相続の件とかでその方に連絡しないといけなくて、司法書士さんに連絡先を調べてもらったりして・・・ようやく連絡がついたときは、向こうもこのことについては知らなかった様子でね。すごく返答に困ってましたし、お互い戸惑いながら現実に向き合ったというか・・・(笑)、その方とは結局これまで一度も会わないままですけどね。まあ、これが僕の「最大の秘密」かな(笑)。わざわざ人に話したりはしないですけど、全然隠そうとは思ってないので、ここで言っても大丈夫です、はい(笑)。
厳密には初めて観た映画ではないと思うんだけど、草刈正雄さんが出てた「なんとかの栄光」・・・?だったかなあ? オートバイの映画があったんですよ。小学5年生の頃に映画館へ観に行ったのかな。昔の映画館って2本立て上映とかが多かったんですが、一緒に上映していたのが「プラトーン」で、バイクの映画よりも「プラトーン」の印象がものすごく今でも強く残っていますねえ。今思えば、なぜそれらの映画を観に行ったのか、そもそもなぜその2本の組み合わせだったのか、色々不思議なんですけどね(笑)。(※ちなみに草刈正雄さんの映画のタイトルは「汚れた英雄」でした)
高校生ぐらいの頃は、レンタルビデオを借りて1日に1~2本は見ていたかも。その頃、マクドナルドでアルバイトをしていたんですが、その隣にTSUTAYAがあって。バイト帰りにすぐ借りれるから、手当り次第にいろんな映画を見ていた記憶がありますね。
お気に入りの映画は・・・岩井俊二監督作品の「リリイ・シュシュのすべて」かな。読み物みたいな、小説のような空気感のある話が好きですね。内容は恋愛でもなんでもいいんですけど、若者が揺れ動く、思春期の悩めるような・・・大人になったらぱっと解決しそうな悩み(笑)、そんなストーリーを持った映画が好きです。
「グッド・ウィル・ハンティング」も好きですね。郷愁を感じるいい話だなあと思って。ベン・アフレックとマット・デイモンが脚本を書いていますけど、それぞれの俳優の時のイメージとギャップを感じられるのも魅力的で。
もう一つは「亀は意外と早く泳ぐ」。単純に笑えて、小ネタが多いところにハマった記憶があります。こういう手法の映画って、なんか大好きですね。
最近は映画を見るならサブスクが定番になってきていますけど、”ながら見”になってしまいがちですね。不思議なもので、やっぱりわざわざ借りてきたものじゃないと真剣に見ないのかもですねえ。
「早くに子供を持つのも悪くないかも」かな。今、僕が49歳で、子供が3歳なんですけど、将来子供に負担をかけちゃうんじゃないかと思うとね。もっと早くに子供を持っていたらまた違っていたんだろうなあっていうことも、やっぱり考えてしまいますよね。僕自身も、父が36歳の時に産まれたんで、一般的に比べると遅い感じではありますよね。父が亡くなったのが、ちょうど僕が海外から日本へ戻る頃だったので、後の諸々のことを全部僕がやらないといけないという経験をしたのもあって・・・同じようなことを自分の子供にもさせてしまうかもなあって思った時に、今の自分へそう言うかもしれないですね(笑)。老いにはね、やっぱり敵わないよね(笑)
間違いなくパン派です。まあ、料理にもよりますし、ごはんが嫌いとか全く食べないというわけではないんですけど、どちらか選べるならパンを選びますね。まあ、でも、本当は”麺派”です(笑)。麺、大好きですね。
当時活動していたパリから、ニューヨークに移ろうと思って飛行機のチケットを取っていたんですけど、その日付が9月12日。まさにニューヨークへ行こうとしていた前日に、あの9.11が起こって・・・結局そのまま行けなかったんですけれど。チケットの日にちが数日早かったりしていたら・・・ねえ(笑)、どうなってたか本当にわからないし、この時がターニングポイントになったかもとは思いますね。すごいタイミングだったって今でも心底思いますし、「行くな」って何かに止められたってことのようにも考えてしまいますね。あとは親が亡くなったこととか・・・子供が産まれたのも、自分にとって大きかったことかな。
人前で泣ける男性、ですかね。人前で泣けてしまうほど自分をさらけ出せる、弱さを見せられるっていう人は素敵だなあって思います。格好いいですよね。
いわゆる趣味という意味で、「学ぶこと」は結構好きですね。いろんなジャンルを満遍なく知りたいというか、どんなことでもなるべく知識を得ようとは思ってるかな。とはいえ、実のところ、これという趣味っていうのがなくて、趣味のことを聞かれるといつも返答に困ってしまうんですよねえ。ちなみに聞かれた時は「料理」って言ってます(笑)。ただ、普段から料理はしているので、料理は趣味というか”得意”なことになるのかな。
他に興味があるのは登山かな。でも、これも言うと身も蓋もないんだけど、行くのが面倒くさい(笑)。行きたいなあって、ずっと頭の中に思いはあるんですけど、全く行動に移せていない(笑)。昔から登山は好きなので、行ってしまえば絶対楽しいことはわかっているんだけどね。それに登山に限らずなんだけど、どんなことでもどうも”行くまで”が本当に嫌いみたいで(苦笑)。泳ぐのも好きだけど、海やプールに行くまでがねえ・・・って思っちゃうと・・・行かない(笑)。そうやって、行動に移せていないことが多いなって思いますねえ(笑)。だから、習い事をずっと続けられている方とか、多趣味でいろんなことを楽しまれている方って、本当にすごいなって思うんですよね。尊敬します。
自分の親とは、あまり「家族」っていうイメージが無くて。別に仲が悪かったわけではないんですが、特に仲が良かったわけでもないというか・・・自分があまり家に居たいという感じではなかったですかね。両親が共働きだったので、小さい頃は知り合いのお宅とかに預けられてたっていうのもあるからなのかな。でも、預けられたのは良かったと思ってるんですよ。じゃなかったら、きっとものすごくわがままに育ってたと思う(笑)。預けられた先の、それぞれの家の決まりごととかが違っていたりするから、子供ながらにそこから社会を感じたり、学んだりしてね(笑)。本当にそれは、自分の中でプラスになっている記憶だなあって思っていて。同じように預けられている他の子供も何人かいたりしたから、楽しかったというのもあるしね。いい経験だったと思います。親に構ってもらった記憶もそんなにないけど、逆に抑えつけられたりとかもなかったし、勝手に自立心が芽生えた感じなのかな。どっちかっていうと、大きくなってからの方が親とは仲良くなったかもしれない。当時、両親が出勤前に僕を預けてから仕事に行って、夕方にまた迎えに来てくれて。それから帰って夕ご飯の支度をして・・・っていうのを毎日やってね。本当に大変だったんだろうなあっていうのは、自分が結婚して子供を持った今、そこはやっぱり改めて思いますよね。